6軸ロボットを活用した汎用性のある組立自動化
実は、製造業において自動化があまり進んでいない工程は組立工程です。組立工程はその文字の通り部品やワークをを組み立てる工程のことを指します。
工場無人化ナビでは、これまでいくつかの組立工程の自動化・省人化に関する自動機設備の提案・導入し、組立工程の課題解決をお手伝いさせて頂いております。
ここでは、そんな工場無人化ナビから、組立工程の自動化前の課題と組立自動化ソリューションについて解説いたします。
また、当社の組立工程の自動化事例も掲載しているので是非そちらもご覧ください!
組立工程の課題
熟練の作業者の雇用・作業者への負荷
組立工程の自動化ができていない工場では、当然、組立作業は工場内の従業員が行うこととなります。
組立作業を人の手によって行うことは難易度が高いと言われています。
そのため、作業に慣れている熟練の作業員の雇用が必要となるのですが、労働人口が減少している昨今の市場では、雇用が困難な状況です。
また、組立作業には単純な作業も含まれるので、人件費に対する生産性が低くなってしまうことも課題として挙げられます。
組立作業は連続作業であることが多く、作業を行う従業員の疲労がたまることや重い製品や部品を動かすことによる腰痛などの身体的な負荷が課題とされています。
従業員の疲労や身体的負荷が蓄積してしまうと、従業員の現場からの離脱等のリスクもあります。そこで、労働環境の改善という面で組立工程の自動機の導入を検討されるというケースも多々あります。
人手作業によるミス
工場の組立工程では次のような作業ミスが起こる可能性が高いです。
・部品・製品の取り間違い
・組み付け時の部品やワークの破損
・組み付けのミス
上記のように組立工程では、ワークの取り間違えや組み付けのミス、さらには組み付け時に部品を破損してしまうといったような作業ミスが発生する恐れがあります。
特に自動車業界や半導体業界のような精密な部品を取り扱う業界では、ミスが起こりやすい作業であるとも言えます。
このようなミスは確認作業等で減らすことは可能ですが、それでもミスが発見できなかったり、見逃してしまうことが起こります。
組立作業の際に重要な部品やワークを破損してしまうと、部品やワークの加工工程からやり直さなければならず、費用や・工数の損失に繋がります。
そこで、組立工程での作業のミスを限りなくなくすためには自動機の導入や工場の省人化が効果的とされています。
自動機による組立工程のミスが発生した場合は、その原因は自動機のプログラムや自動機の故障等にあり、人手での作業と比較し明確ですので、ミスの修正や対策も迅速にできることも自動機のメリットであると言えます。
組立自動機の汎用性
工場内の特定の作業に対する専用の組立機を導入した場合、自動機により組立工程の自動化は可能となりますが、専用の組立機はその作業のためのプログラムや設計をしているため汎用性がないことが課題だと言えます。
例えば、新製品への切り替えや製品の仕様変更などが起きてしまうといままで活躍していた専用機は使えなくなってしまいます。
また、専用機の設計やプログラムを改造することも可能ですが、大幅な改造となると費用と工数がかかってしまうという問題もあります。
では、組立工程を自動化するにあたっては、どのような自動機を導入すればよいのでしょうか?
6軸ロボットを活用した汎用性のある組立自動化ソリューション
自動段取り・多品種対応
先述したように専用の組立機では汎用性がないことが課題となっておりましたが、下の図のように6軸ロボットと画像検査の技術を組み合わせることによって汎用性を持たせることが可能です。具体的にはワークが一種類ではなく多種類ある場合にワークを挿す位置がバラバラになるのを防ぐため画像検査の技術を用いて位置補正をしています。
ロボットハンドの自動交換をすることで大きい部品や小さい部品、形状の違う部品の組立も可能となります。
組付ける部品の荷姿に合わせた様々な供給装置の提供
(バラ、テーピング、スティック、パレットetc.)
供給装置をユニット化し、供給装置ごとユニット交換することで仕様変更可能
搬送コンベアを幅可変とすることで多仕様対応
拡張性が高く、新製品や仕様変更にも対応が可能
共通仕様のロボット架台を連結することで大型システム構成が可能
汎用性が高いため、将来の新製品・品種変更への対応が容易
組立に限らず、塗布、検査等付帯工程への応用も可能
標準化によりメンテナンス効率も向上
通常、自動機の場合その自動機に合わせた架台が必要となったり、メンテナンスもそれぞれの機械に合わせて行う必要があるのですが、弊社がご紹介する6軸ロボットの場合は、共通仕様のロボット架台を使用しメンテナンスをすることが可能です。これにより一架台の技術習得をすることで複数の架台のメンテナンスも同様に行うことも可能となります。
ロボットによる自動化事例
ここでは、工場無人化ナビが実際にお客様に提案・導入を行った、組み立て工程の自動化に関する自動機・装置の事例をご紹介いたします。
事例①ロボットによる自動組立装置
こちらの装置は、ケースから部品まで一連の組立を行う装置です
部品供給の形態は、バラ・テーピング・スティック・パレット等様々な供給方法に対応します。供給部品の交換システム(ツール及びハンドチェンジ)もありますので、部品の仕様変更にも柔軟な対応ができます。
従来困難であった部品の組立、コネクタ等の挿入もロボット技術、力覚センサー、画像技術を活用することで可能にしました。
また、グリス塗布などの特殊工程にも対応ができます。
形状により、ロボットの動きだけでは組立が困難な場合でも、
姿勢変換ユニットと把持補正カメラを用いて部品の位置ズレ、取り出した部品の角度(0°・90°・180°・270°)を修正し組み立てる事ができます。
事例②異形部品挿入機
(基板実装の為の部品挿入装置)
こちらの装置は異形部品の挿入を行う為の専用装置で、電子基板の実装ラインにおける部品の挿入を指定の場所に行う自動機です。
一般的なチップマウンター装置とはことなるもので、マウンターでは挿入ができないワークサイズや異形部品の組み立て工程の完全自動化に成功しています。
基板への部品実装においては、適切な部品を適切な箇所に挿入する必要があり、この工程をカメラを用いて随時画像補正を行いながら、作業を行っている点が特徴です。
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